2012年08月07日

いかに老化を防ぐか・・・ 長寿をまっとうできるか?(その1) 2012年8月 Vol.148

老化はコントロールできるか?

なぜヒトは老化するのか? 寿命があるのか? いや、ほとんどの生物が老化し、死を迎えるのです。
その最大の理由は、「進化」にあるといわれています。
人も、他の動物も単細胞生物から進化し、何億年、何十億年の時を経て現在に至っています。
こうした「進化」は、計り知れないほどの世代交代をとおして育まれてきました。

もしも、このような世代交代がなかったら、変化の激しい地球環境にも適応できなかっただろうし、細菌やウィルスに対抗する免疫機能なども発達せずに、今の人間も他の動物も存在しえなかっただろうことが想像できます。

つまり、進化における世代交代のためには“死”が不可欠だったのです。
自然の営みの中で、「種の保存」は最も重要なことです。「人の命は地球より重い」とは言いますが、こうした自然界の営みからすると、残念ながら個々の生命はそれほど重くはないようです。

では、なぜ老化が起きるのでしょうか?

『ヒトはどうして老いるのか−老化・寿命の科学』田沼靖一・東京理科大学薬学部教授著(ちくま新書)から引用してみましょう。

◆◆◆人の一生を老化という観点からグラフにしてみると、下図のようになります。横軸は生まれてから死ぬまでの期間、縦軸にはいろいろな臓器や器官の機能や活力をとりました。

赤ん坊として生まれてきた時点が0歳になり、だいたい20歳前後で成長は止まります。その期間を「成長期」といいます。そして、その後半では性成熟に至り、子どもをつくり子育てをする「生殖期」になります。
それを終えると、余生ともいうべき「生殖期後」を迎えます。

老化のプロセス.jpg

一方、臓器の活力は、生まれてから徐々に上昇して成長期を過ぎてほぼ横ばいになり、その後、臓器によってスピードは違いますが、やがて機能の衰退が起こってきます。視覚器のように早くも20歳頃から衰える臓器もあります。

ここで重要なことは、成長期から生殖期まではだいたい同じスピードで成長が進行しますが、「生殖期後の老化速度は個人個人でバラバラである」ということです。
40歳を過ぎる頃から、早い人では白髪が目立ったり、髪が薄くなってきます。老化が速く進む人と非常に遅い人というように個人差が出てくるのです。

老化は正しくは、生殖期後におけるいろいろな臓器の機能の衰退現象を指します。そしてヒトの場合はとくに、長期間にわたって進行するので、個人差が顕著に出てくることになるのです。
個人差が生じる原因は何かというと、遺伝的な要素もありますが、人それぞれの毎日の生活の仕方の違いによるものと考えられています。
 
これは意外にも、老化が不確定で後天的な要素に大きく左右されることを示しています。逆にいえば、老化のスピードは、個人の努力や注意によってうまくコントロールできるのです◆◆◆


なぜ、ヒトは他の動物よりも長生きなのか!?

では、寿命とは何でしょうか?
昆虫やサケなどは、生殖(種の保存)を終えた途端に寿命がつきてしまいます。
ヒトに最も近いといわれるチンパンジーは、ヒトとの遺伝子の違いがわずかに1〜2パーセントしかありませんが、平均寿命は約40歳(最大寿命50歳)です。
成長期はヒトが若干長いものの、生殖期については両者ともほぼ30年。つまり、チンパンジーの生殖期が終わった後に生きる長さはヒトの十分の一の5年程度しかありません。

このようにチンパンジーのみならず生物の多くは、生殖を終了すると間もなく死んでしまうのです。

ところが、自然界においてヒトは例外的。生殖期が終わった後、40年も50年も長生きします。

ヒトと動物の寿命の違い.jpg

なぜでしょうか? このことは科学的には、まだはっきりとわかっていません。
しかしながら、「脳」の違いが関係していることは間違いなさそうです。

ヒトが他の動物と最も違うところは「脳」です。特に、ヒトは「大脳新皮質(だいのうしんひしつ)」がひじょうに発達しています。右脳、左脳という大脳半球の大部分を占めています。
posted by つうしん at 11:02| Comment(0) | アンチエイジング
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