ではなぜ、がんに罹る人と、罹らない人がいるのでしょうか?
がん細胞は、元々は、わたしたちの体を構成する細胞です。その正常な細胞の遺伝子が何らかの原因で傷つくと、がん細胞化してしまうのです。
そして、“がん化”した細胞は、どんなに健康な人でも、1日3000〜5000個できていることがわかっています。
そうでありながら、がんに侵される人と侵されない人がいます。それは一言でいうなら、免疫力の違いなのです。
正常な人の場合、がん化した細胞が発生しても、わたしたちの体内に存在するキラーT細胞やNK細胞といった「免疫細胞」によって取り殺されて排除されてしまうのです。
だから、たとえ5000個のがん細胞が発生しても増殖できないために、がんに罹ることはありません。

ところが、いろいろな原因で免疫力は低下します。そうすると、すべてのがん細胞を取り殺すことができずに、その中の生き残ったがん細胞が増殖して、本格的な“がん”になってしまうのです。

つまり、がんに罹る原因というのは、正常な細胞の遺伝子が傷ついて“がん化”することと、そうしたがん細胞の増殖を防いでいる“免疫力の低下”という大きく2つのことが考えられるのです。
では、遺伝子を傷つけたり、免疫力を低下させたりする原因はなんでしょうか?
「がんは遺伝する」とよくいわれていますが、その影響は1割にも満たないことがわかっています。それよりも、食事、喫煙、飲酒、ストレスなど、普段の生活習慣や生活環境の影響の方が圧倒的に大きいのです。
言い換えれば、生活習慣を改善することで、がんは防ぐことが可能だということです。
これほど進歩した現代医学でも、がんの完治は難しいとされます。がんに罹る前にがんを予防することが最も重要です。
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